泌尿器科:男性

診療内容

泌尿器科:男性イメージ

当院の泌尿器科は、腎臓、尿管、膀胱の病気から、男性生殖器の病気まで、幅広く診療しています。性感染症、包茎手術、ED(勃起不全)にも対応していますので、泌尿器について気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

泌尿器科に特有の症状と病気

ここでは、泌尿器特有の症状ごとに男性に見られる病気、及び、包茎等の男性生殖器に関するお悩みについて、お答えします。

痛み

痛みの種類 疑われる病気
おしっこが出るときの痛み(排尿痛) 出始めの痛み 前部尿道炎、前立腺炎
出始め~終わりまでの痛み 急性尿道炎、尿道狭窄
排尿の終わりの痛み 急性膀胱炎
突然の激しい痛み 背中から腰にかけての痛み 尿管結石、間欠性水腎症
横腹から下腹部への痛み 尿管結石
重苦しい痛み・鈍い痛み 背中から腰にかけて 急性腎盂腎炎、腎がん、腎盂結石、
水腎症、慢性腎盂腎炎
陰嚢部痛 急性精巣上体炎、精索捻転、
精巣炎
射精のときの痛み(射精痛) 前立腺炎、後部尿道炎

おしっこの出方の異常

おしっこの回数が異常に多い(頻尿)

通常は、1日5~8回です。それ以上の場合は、何らかの病気である可能性があります。

異常の種類 疑われる病気
おしっこの出る量は少ない 膀胱出口近くの刺激が原因の場合 急性膀胱炎、前立腺炎、
膀胱結石、尿管下端結石、過活動膀胱
膀胱の大きさが小さくなることが原因の場合 前立腺肥大症、結核性萎縮膀胱、
間質性膀胱炎
おしっこの出る量も多い 糖尿病、尿崩症
腎機能障害による濃縮力低下

おしっこが出にくい(排尿困難)・
おしっこを出せない(尿閉)

異常の種類 疑われる病気
おしっこが出始めるまで時間がかかる/している時間が長い/勢いがない 前立腺肥大症、膀胱頸部硬化症、
尿道狭窄、神経因性膀胱
膀胱におしっこがたまっていても出せない 前立腺肥大症、膀胱頸部硬化症、
尿道狭窄、神経因性膀胱

おしっこが漏れる(尿失禁)

異常の種類 疑われる病気
おねしょ 夜尿症
激しい尿意とともにおしっこを漏らす(切迫性尿失禁) 過活動膀胱、急性膀胱炎
膀胱におしっこは貯まらずしらないうちに漏れる(真性尿失禁) 中枢神経障害、尿道括約筋損傷

腫瘤(しこり)

お腹のしこり

しこりの種類 疑われる病気
左右上腹部のしこり 腎腫瘍、嚢胞腎、水腎症、下垂腎
下腹部のしこり 著しい尿貯留

陰嚢の中のしこり

しこりの種類 疑われる病気
痛いしこり 急性精巣上体炎、流行性耳下腺炎による精巣炎
急にできたしこり 精索捻転
痛くないしこり 精巣腫瘍、陰嚢水腫、精索静脈瘤、結核性精巣上体炎

尿の異常

血尿

異常の種類 疑われる病気
痛みなどの症状がなく、目で見てわかる血尿 尿路腫瘍(腎がん、膀胱がん)
出始めが血尿(初期血尿) 尿道炎
最後が血尿 後部尿道炎、膀胱頸部出血
始めから終わりまで血尿 腎がん、尿管腫瘍、腎盂腫瘍、膀胱がん、尿路結石

混濁尿

異常の種類 疑われる病気
乳白色のおしっこ 乳び尿 フィラリア症
糞尿 膀胱直腸ろう

男性生殖器のお悩み

包茎

包茎は、小児泌尿器科領域で最も多い疾患です。この部位に対する親の関心は高く、受診率も高いですが、医師の対応や説明がまちまちであるため、保護者の方が混乱することもあります。まずは、正しく理解することが大切です。

包茎とは

包皮が亀頭を包んでいる状態のことをいいます。
成長過程として、胎児・新生児では陰茎包皮と亀頭は癒着していて亀頭を露出できません。(生理的な真性包茎=強引な方法でなければ露出できない)
乳幼児期になると包皮と亀頭は表皮化を起こし亀頭を露出できるようになります。

真性包茎

亀頭を包皮から露出できない状態

  1. 先天的真性包茎
    •包皮内板と亀頭が癒着している(胎児・新生児では陰茎包皮と亀頭は癒着している)
    •包皮口が先天的に亀頭に比べて小さい
  2. 後天的真性包茎
    •外傷・炎症などによる包皮内板と亀頭の癒着
    •外傷・炎症などによる包皮口の狭小化
仮性包茎

包皮が陰茎に対し長すぎるために常に包皮が陰茎を包んでいる状態
亀頭は露出しようとすれば容易に露出できる

かんとん包茎

包皮を翻転し亀頭を露出したあと、元に戻せなくなり包皮に浮腫をきたし首絞め状態となる

手術の必要性

包皮口が狭いために、排尿時に包皮全体が風船のようにふくれたり(バルーニング)、尿線が細くなります。すると排尿のたびに包皮内に一時的に尿がたまり、長期間にわたると恥垢(黄色腫瘤として透見)がたまり亀頭包皮炎を起こします。また、力んで腹圧をかける結果、膀胱機能にも影響を及ぼします。成人では不潔状態が続くことにより陰茎癌になることがあります。

手術適応

  • 新生児の真性包茎は手術適応なし
    乳幼児になると包皮と亀頭で表皮化が起こり分離してきたり、包皮口が開大し仮性包茎となることも期待できる
  • 乳幼児の真性包茎は手術適応
    乳幼児になっても包皮と亀頭が癒着している場合は剥離術が必要
    包皮口がピンホール状で排尿障害やバルーニングが見られれば切除手術(背面切開術または環状切除術)の適応
  • 成人の真性包茎は手術適応(環状切除術)
  • 成人の仮性包茎は以下の場合手術適応
    • 繰り返す亀頭包皮炎
    • 尖形コンジローマの発生
    • かんとん包茎
    • 早漏や短小陰茎などを悩む場合

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、再発しやすい病気であるため、患者さんから「治りますか?」と質問されることが多くあります。しかし、絶対に治ります。諦めずに根気よく治療していきましょう。

尖圭コンジローマとは

性器や肛門のまわりに乳頭状(乳首のような形)のほか、ニワトリのトサカやカリフラワーのような状態のイボができる病気です。イボの色は白、ピンク、褐色(黒っぽい茶色)、時には黒色とさまざまで、大きさは径1~3ミリ前後です。

原因は?

HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染が原因です。
なお、HPVにはさまざまな種類があり、尖圭コンジローマを引き起こすタイプのウイルスは主に、セックスやそれに類似する行為により皮膚や粘膜にある小さな傷に侵入して感染します。

感染の時期や経路は?

ウイルスが感染してもすぐにイボがあらわれるわけではありません。ウイルスが感染してから3週間~8ヵ月(平均2.8ヵ月)くらいでイボが確認できるようになります。かゆみや痛みなどが無い場合が多く、いつ発病したかはっきり覚えていない人も多くいます。したがって、感染した時期や誰から感染したかを特定するのは難しいとされています。

尖圭コンジローマの治療

尖圭コンジローマの治療は、「薬による治療法」と「外科的な治療法」の大きく2つに分かれます。イボの場所や症状に応じて治療法が変わってきます。ここでは健康保険の適応される治療法をご紹介します。
また、以下の○印は「性感染症診断・治療ガイドライン」(日本性感染症学会 発行)においてファーストラインとして分類される治療法です。

薬による治療法 ○

尖圭コンジローマの塗り薬が、2007年12月、日本でも健康保険が適用される薬として発売されました。病院で処方してもらい、自分で直接塗って治療します。

塗布後の主な副作用

塗った部位の紅斑(赤み)、びらん(ただれ)、表皮剥離(表皮のはがれ)、浮腫(腫れ)、疼痛(痛み)、湿疹など

外科的な治療法

いずれも外来で行われる小手術、あるいは、日帰り入院手術として行われます。

  • 凍結療法 ○
    麻酔はせずにイボを液体窒素で何回か凍らせて取り除く治療法です。
  • 電気焼灼 ○
    イボの周囲に麻酔をして、電気メスで焼く治療法です。
  • 炭酸ガスレーザー蒸散
    イボの周囲に麻酔をして、レーザー光線で取り除く治療法です。
  • 外科的切除
    イボの周囲に麻酔をして、専用の器具で切除する治療法です。

これらの治療法は痛みを伴ったり、傷跡が残ったりする可能性があります。

尖圭コンジローマは治療時に見えているイボを取り除いたとしても、ウイルスが残っている可能性があるため、再発を繰り返し、治療が長引く場合があります。もし再発しても根気よく治療を続けることが大切です。

亀頭のカリにできた
(亀頭環状溝部)のぶつぶつ

多くはcoronal papillaeという病気ではない変化です。ただし、尖圭コンジローマを見逃してはいけませんので泌尿器科専門医受診をお勧めします。

病気ではないと診断された場合は、治療は必要ありません。しかし、美容上どうしても気になる方は手術されれば良いでしょう。

当院の治療の特徴

局所麻酔しcoronal papillaeにレーザー照射をおこなっています。

当院の治療の流れ

  • 手術当時日~翌日について
    • 手術時間は、10分程度
    • 術後は、すぐにお帰りいただきます。
    • 手術翌日は術者としての責任上必ず診察させていただきます。
  • 術後の経過について
    病変を焼灼しただけの場合、やけどが治るのと同じ期間がかかりますので、約2週間は見られたほうが良いでしょう。ただし、御自分で消毒などの処置を途中からすれば良いので期間を心配する必要はありません。